今回お話を聴いた小田貴文さんは長期インターンを6社も経験されて
小田貴文さん
1997年生まれ。東京都出身。
國學院大學経済学部経済ネットワーキング学科(渋谷)に在学中。
経済経営の勉強、情報系(フロント言語)の授業を受け、はじめは就活のためにインターンを探していたが、体験する過程で目的が変わり、その後のキャリア選択にも大きな影響を与えたと言う。
長期インターンとの出会いから、探し方、インターン先での学び、今後のキャリアまで深く語ってくれた。
大学生活はどんな感じでスタートしたの?
浪人を経て大学生に
浪人して大学へ進学したのですが、当初は具体的にやりたかったことが在るわけではありませんでした。昔からスポーツが好きでフットサルサークルに入りましたが、大学生活になれるのに時間がかかった気もします。
大学1年の序盤で長期インターンを開始
ただ、遊び100%になるわけではありませんでした。
大学受験では自分の準備不足で浪人に失敗して、計画や準備の大切さを痛感したため、これを糧に次の大きなイベントである「就活」も意識していこうと考えつつ学生生活のスタートを切りました。ただ、変にとがるのは嫌で、”意識高い人”とも思われたくなかったので、どちらか片方に偏るということは無いようにしようと思っていました。
当時をふりかえると、これくらいの割合で考えていたと思います。
7:3
大学生活:就活のための時間
この天秤のバランスが途中で変わって、インターンを経験することで、「就活のためのインターン」という考えが無くなっていきました。
義務感ではなく自分がやりたいからやる!に変わっていったのを覚えています。
インターンを開始するきっかけ
入学した頃の自分はインターンなんて知らなかったです。
でも、漠然と「何かやらなければ」と思いネットで調べていたら長期インターンの存在を知りました。
浪人時代、勉強しているカフェの目の前のビルに電気の付いていない部屋がいくつもあり、あのスペースを活用できたらなぁ、と考えていました。
この領域のビジネスをやってる企業があったら働いてみたいなと思い、学生生活に少し慣れた頃に株式会社スペイシーのインターンに応募しました。
スペイシー落ちて感じたこと
初めて受けたインターン、結果は落ちてしまいました。
この企業で働きたいという気持ちが強かったため、落ちた時はショックでした。そこからはしばらく悩んで転々としていました。
大学1年の夏頃に、そろそろ動かなければと考えまた情報収集をはじめました。Infraインターンなどで情報を探していましたね。
当初はインターンが何かも分からずに動いていましたが、シンプルにやりたいことや、就活にもつながると思って行動していた気がします。
長期インターンに応募することにハードルはありましたか?
新しいことに挑戦するのは元々好きだったので、長期インターンに応募することに大きな不安はありませんでした。
高校時代、野球に打ち込んでいましたがベンチ入りするために、新しいポジションに挑戦したことなどを思い出しました。
今思えばリスクでもありますが、できそうな感じがしたらやってみる主義ですね。スペイシーを受けたときも同じ感覚だったのでハードルはそこまで感じていなかったと思います。
ユアマイスター株式会社での長期インターン開始
ユアマイスターとの出会い
その後インターン情報を探していても、ピンとくる企業がなかったですし、
どの企業も募集ページに書いてある内容は似通っていましたが、
その中でもユアマイスターの情報を見つけ、社風に惹かれて応募しました。
募集要項に、他社とは異なるユニークな必要条件が書かれていて、他とは違うおもしろさがあるのでは?と思いました。
インターン生活のはじまり
大学1年生の6月頃です。初めてのインターン生活が始まりました。
ユアマイスター株式会社は、クリーニングや修理の職人と私たちユーザーをつなぐECプラットフォーム「ユアマイスター」を運営するスタートアップです。
私はサポートチームに配属され、法人向けにインサイドセールスを担当していました。
法人向けに、ユアマイスターに出店してくださる事業者を探して電話をかける仕事です。
インターン開始前はどんな心境でしたか?
インターン開始前は不安みたいなことはなくて、環境的にインターン生も多く、賑やかな社風だったので楽しみな気持ちでした。自分は話下手ではないし、自分ならある程度できそう!という自信もありました。
働いてみてどうだった?
自分の無力さを痛感しました。笑
社会人として基本的なマナーや話し方、営業って何か、全てが分からなかったです。先輩のインターン生や社員は、みんな仕事ができて話もうまくて、そんな周りの人たちと自分を比較してしまい、かなり悔しかったです。
毎月月末に締め会があるのですが、そこでその月の振り返りとMVPが発表されます。入社して3ヶ月たったタイミングで同時期に入社したインターン生がMVPをとっていて、とても悔しかったのを覚えています。
悔しくても折れない小田さん-どう変わっていったのでしょうか?
悔しい気持ちが強かったため、先輩や社員の営業トークを録音して、勉強しました。
この時期あたりから、できないことを、できるようになりたい!という気持ちが強くなり、今までは就活のためのインターンでしたが、これを機に自分のためのインターンをやるようになりました。ユアマイスターで働く中で、働くことへの概念が変わったと思います。
小田さんは、当時をこの様に振り返ります。
社員が楽しく働いていて、社内の雰囲気が良くて仕事の魅力を知った。
インターンや働くことって楽しいんだなって思うようになった。
自分でやりがいを見いださないと、仕事は楽しめないことを学んだ。
社内の先輩方との関係性
社員一人に対してインターン生が5人位つく仕組みだったので、メンター的な先輩に相談はしやすかったです。とはいえ日中は先輩も忙しいので、仕事の合間を縫って、雑談して自分をしってもらい、悩みを聴いてもらったり、フィードバックを貰っていました。
帰りが遅くなるときも多々ありましたが、自分には目的があったので苦痛はなかったし、おかげで先輩とのコミュニケーションがたくさん取れるようになりました。
インターンの目的がお金ではなかったのも苦痛を感じない要因かもしれません。
特に印象に残っていること
まず、仕事を楽しくやっていることに驚きました。
登録事業者に注文が入った時に、みんなで喜び合う文化でした。仕事中でも〇〇さんに注文入った!と声を発し、みんなで喜ぶ!チームメンバー全員で拍手する!
数字が思うように伸びていないときも、批判するのではなく声をかけあって、明るく前向きにもっと頑張ろう!と励まし合いがありました。
取締役の方も「仕事って楽しいもんでしょ!」とよく言っていたのを鮮明に覚えています。
当時、社員20名+インターン20名以上くらいでしたが、こういった価値観がメンバー全員に共有されていたと思います。
ユアマイスター株式会社での長期インターンを終えて
社会人としての基本を学べたことが一番大きかったです。
例えば、コミュニケーション一つとっても、クライアントに寄り添うことは大切なことだと頭では分かっていましたが、実践的に学ぶことができました。
具体的なスキルというより、働くことに対する価値観や、基礎力を学びました。
ユアマイスターでの長期インターンをやめることに-
就活のためではなく、自分の理想に近づくためにやっていたのですが、テレアポをやるなかで改善を繰り返し、少しづつ出来るようになった頃、他の事業や、フェーズの違う企業で働くことにも興味を持ちました。
大学1年の9月、ここで約4ヶ月のインターンを終えました。
ユアマイスターでのインターン後の自分
明確にやることが決まっていなかったので、すぐに次になにかを始めるわけではなく、大学の教授や、他の企業でインターンをしている学生と話してみたりするなど、次に何をしようかと一旦考えてみようと思い、一度立ち止まってました。
次の一歩の準備期間
同社でのインターン経験から、仕事への価値観が変わったことは明白ですね。
この頃には、「自分のためのインターン」に明確に変わっていた事が伺えます。
長期インターンの魅力に引き込まれる小田さん。
次はもう少し大きな規模でビジネスに取り組んでいる会社で働いてみたくて、Wantedlyで探しました。
長期インターンの魅力に引き込まれていく
その後はどの様に過ごされたんででしょうか-
- ランサーズ株式会社:約1年(テレアポ)
- F ventures:約9ヶ月(コミュニティ運営、メディア運営)
- For startups:7ヶ月(データベース運用、SNSマーケ)
- LEAPX:約6ヶ月(MEO)
- 株式会社ヤプリで内定者インターン:現在(インサイド)
これら長期インターンは、大学では出会えない価値観に出会えたり、仕事を通じて自分の成果が出る環境を自分で作る重要性に気付いたり、多くの学びがありました。
与えられた環境で与えられた仕事のみをやるのではなく、やりづらく成果が出にくい環境を自分で変える事の重要性を学びました。
就活への影響
自己分析する中で、長期インターン結果は就活の軸に大きく影響を与えていると感じています。
自分は、インターンを通じて「まだ確立されていない新たな選択肢を確立したい!」と考えるようになって、これが就活の軸にもなっていました。
この軸で就活を進めた時に、大手企業よりもベンチャーよりの企業の方が良い、また、新しい市場を開拓している企業が良いと考え、株式会社ヤプリに就職することを決めました。
長期インターンを検討してる方に向けて
長期インターンを検討してる方に向けて声をかけるとしたら?
長期インターンを経験する事だけが正解ではないと思います。
志望している企業の内定をもらった周りの人をみてみると、バイト三昧だった人や、学生生活を遊びまくっている人もたくさんいました。
そのため、インターンに行かなくてはならない、なんてことはないです。
ただ、より良い結果が出るかを考え、行動する力を身につけるには長期インターンはおすすめです。
自分で考えて行動する環境として最適だと思います。
バイトでもインターンでも自分次第で同じ様な体験が出来るかもしれませんが、インターンの方が考えて行動してみて改善するということがしやすい環境だと思います。
仕事に対してネガティブな印象が強い方や、就活への不安がある方は一度インターンをやってみることをおすすめします。