コミュニティ運営

鈴木梨央×Coeto株式会社【長期インターン体験談】

「あなたの中にブレない軸はありますか?」

そう聞かれたら、一体どう答えるだろうか。

抽象的でもいい。自分が目指す姿が決まっていると、次にやるべきことが見えてくる。

今回お話を伺ったのは、早稲田大学社会科学部2年生の鈴木 梨央(すずき りお)さん。

3つの長期インターンを終え、現在は所属するミュージカルサークルで、日々忙しく活動している。

鈴木さんは、高校生の頃から「みんなが『自分が存在していていい』と思える世界」を創りたいと考え、行動してきた。

実際、経験した3つの長期インターンは、どれもその想いに沿った事業をおこなっていた。そしてそれらは、面白いことに異なる特徴をもっていた。株式会社、NPO法人、女性社長、男性社長……

今回は、3つの長期インターンを終えての気付きや学びを聞きながら、鈴木さんの人生のストーリーを追っていく。

知的好奇心を満たしたい

東京生まれ東京育ちの鈴木さん。

幼少期から知的好奇心が旺盛な子だったという。

誕生日プレセントに「図鑑が欲しい!」とお願いしたことも。

「人体や宇宙の仕組みの本を読んでいました。世界がどういう仕組みで動いているのかを知ることが楽しくて。」

ピアノや音楽教室に通い、芸術的センスを身に着けながらも、勉強もできた鈴木さん。

中学受験をし、品川女子学院中等部(高等部)へ入学した。

「やりたい」を応援してくれる学校の存在

「学内で、定期的に特別講座が開かれるんです。社会人の方を招いて、キャリアの話を聞いたり、実際に商品開発に携わったり。自由参加型でしたが、新たな世界を知るのが楽しくて、できる限り参加していました。」

ここでもやはり、好奇心でいっぱいの鈴木さん。この講座のおかげで、さらに見える世界が広がった。

きっかけは父との何気ない会話

高校1年生の終わり頃、TimeLeap Academy に参加することになった。小・中・高生のための起業家教育プログラムだ。

「父がたまたま、代表の仁禮 彩香(にれい あやか)さんを知ったことがきっかけでした。Twitter(現:X)に出てきて、私に『面白い経歴のすごい人がいるよ!』と教えてくれたんです。」

仁禮さんは、中学生で起業、高校生で母校を買収という驚きの経歴をもつ。

彼女のことを調べていくと、ふと「アカデミー1期生募集」の文字が目に入った。

各界で活躍する教授やCEOから貴重な話を聞けて、実際にビジネスを実践しながら学ぶことができるという。

好奇心にかられた彼女は、すぐに応募し、アカデミー1期生となった。

ビジネス演習の一貫として、鈴木さんは「孤独を幸せに変えるアプリ Kaleido」を考案。

このアプリ案は大きく飛躍し、高校2年生で「中小企業庁主催 ビジネスプランコンテスト」のファイナリストにも選ばれた。

「生理の貧困」問題

アカデミーが終わってからも、鈴木さんは自分の知的好奇心を大切に、行動を続けた。

高校2年生の終わり頃、「生理の貧困」という言葉を知ったのをきっかけに、自分に何か出来ないかと考えた。

「生理の貧困」とは、経済的理由などで、生理用品を入手できない状態のことをいう。

そこで、あるプロジェクトを考案し、手書きの企画書をもって学校の先生にプレゼンをした。

「学校の女子トイレの個室内にナプキンを置き、ナプキンが無くて困っている人が自由に使えるようにするというものでした。可能であれば後日持参し、次の人のために補充する。同時に募金や寄付を募り、ナプキンを購入・設置するというサイクルを考えたんです。」

友人を誘い2人で始めたこの「StartTheCycle」という活動は、しだいに後輩たちを巻き込んで、全校に普及させた。

そして現在は後輩たちが受け継ぎ、その活動は続いているという。 


「学校の方針として、生徒の安全を保障できるのであれば、可能な限り協力してくれるスタンスなんです。私が行動できたのは、このような環境も大きかったように思います。」

この頃から、鈴木さんは「中高生の生きづらさ」を探究していくようになった。

物理的生きづらさに加え、精神的な生きづらさに苦しむ人もいる。

コロナ禍の特殊な学校生活で、より増していった孤独感。SNSの進歩と共に、人と比べてしまうこともふえた。

これからの生き方を考えた時に、自分はどうありたいか。そこで浮かんだのが「存在していていいと思える世界をつくりたい」というものだった。

この想いは、鈴木さんの中で、今でも揺るがない軸となっている。

そしてこの思いが基盤となり、その後の3つの長期インターンに繋がった。

異なる特徴をもつ3社の長期インターン

早稲田大学に入学した鈴木さん。
アルバイトをしながら、順風満帆な学生生活を送り始めたころだった。

【1社目】「自分の軸」がつなげた出会い

「リゾートバイトをしていた時のことでした。東京に帰ったら時間もできるし、何かしたいなと考えていた時、インターンって面白そうだなぁと思ったのがきっかけです。」

調べていくと、以前自らが考案したアプリと、同じような課題意識を持って事業をしている会社をみつけた。「ここだ!」と思ったという。

それが、初めての長期インターン先であるCoeto株式会社だ。

音声SNSアプリ「Wacha」を運営する会社である。鈴木さんは、大学1年生の10月から、ちょうど1年間在籍した。

当時、大学生の長期インターン生は5名ほど。

分担しながら、SNS運営やイベント企画など、多岐にわたる業務を担当した。

鈴木さん含めた2名でXを運営し、イベント告知、イベント景品を何にするかといった細かい内容までおこなった。

和気あいあいとした環境であったためか、仕事で行き詰まることや辛いことは、あまりなかったという。

「ここでの一番の学びは、組織としての動きを学べたことでした。会社全体の動きや、誰に何をどのタイミングで相談すべきなのかといった、基本的なビジネススキルを丁寧に学べました。」

「また社長との距離が近く、同室で仕事をしながら多くの会話ができたのも貴重な経験でした。採用面接時の着眼点や、社長の信念、求める人材の話をたくさん聞くことができました。」

学生でありながら、企業側の視点や想いを知ることができた。

これは、今後の就活にも大いに役立つだろう。

【2社目】受講者から運営者へ

1社目の長期インターンをおこなう最中、新たな出会いがあった。大学1年生の1月のことだ。

「TimeLeap Academyの時の知り合いに、『面白い社長がいるよ』と繋げていただいたのがきっかけです。」

社長は女性で、女子大生向けのキャリア教育事業をおこなっていた。

女子大生は自己分析法や自己表現スキルを学び、経営者たちに向けたプレゼンを行う。

就活にも役立つ知識とスキルを無料で身につけられるという魅力に惹かれ、鈴木さんは、参加者としてイベントに参加した。

しかし説明会で「あなた面白いから運営やってみない?」というオファーがあった。

これが2社目の長期インターンとなった。

1社目の長期インターンの最中であった鈴木さんは、どう回答したのだろう。

「運営をするにあたっての事前説明や詳細を聞く前に、快諾している自分がいました。『舞い降りたチャンスには乗ろう』という心の声に従おうと思って。また、自分のキャパシティや限界を知りたかったのもあります。」

鈴木さんの業務は、主に広報やSNS運用。

イベントの運営スタッフとして関わりながら、自分のXのフォロワーを3000人増やすという目標を達成した。

また、自社事業を紹介するために母校に出向き、「特別講座」を開くこともできた。

この長期インターンでは、受講者として、自己分析や自己表現スキルを学び、運営者として、個人SNSの戦略作りなどを学んだ。

両面ともに自分と向き合うことができた、大事な時間となった。

【3社目】中高生を直接的にサポート

2社目の長期インターンを始めた同時期のこと。

「きっかけは、インスタグラムの広告。若者の生きづらさを救うためのNPO法人と書いてありました。自分とマッチしていたこともあり、興味をもったんです。」

3社目の長期インターン先は、教育支援活動をおこなうNPO法人だった。

中高生が感じる「生きづらさや孤独」に対して、一人ひとりにフォーカスして向き合い、オンライン授業をなどを行う。

おさらいするが、これら3つの長期インターンは、全て同時進行である。

なんてストイックなのだろう。

「1社目は出社する形態でしたが、2社目は、在宅ワークだったんです。私、いけるんじゃない?って思って。できそうだなって。」

これも、自分のキャパシティの限界を知りたいという、ある種好奇心だったのかもしれない。

鈴木さんは、実際に高校生に向けたオンラインでの授業や、サポートを担当。

ディスカッションやプレゼンテーション法など、生徒同士が行き詰った時にアドバイスを促す役目を担った。

「どんな家庭環境の子どもたちも、平等に輝かしい未来を切り開いてほしい」

そんな想いで、それぞれが工夫をしながら生徒と向き合っているのを感じた。

3社での長期インターンを終えて……

特徴の異なる長期インターンを経験した鈴木さん。多くの気付きがあったという。

「もちろん、会社や人による違いはあるでしょうが、男性社長と女性社長の違い、株式会社とNPO法人の違いを知ることができました。」

男性社長からは冷静・的確で信頼を獲得する姿を、女性社長からはハートフルな人柄で人を魅了する姿を学んだ。

株式会社は、明確な目標のもと、団結して1つの場所へ向かっていた。NPO法人では、社員ひとりひとりの信念や情熱の大きさを感じた。

良い悪いではなく、どれも素晴らしい経営スタイルだ。

「『存在していていいと思える世界』にしたいという軸は変わっていません。今後は就活するか、大学院で探究を進めるかを考え中です。

海外の大学院に行って、その国の制度や斬新な考え方を吸収するのもいいなと思っています。」

自分の筋が通っていれば、夢に具体性が加わり、次にやるべきことがみえてくるのだ。

さいごに


学生に向けて一言をいただいた。

「今後自分はどう生きていこう?どの環境なら心地よく成長できるだろう?そういったことを考える時、長期インターンはひとつの判断材料になると思います。」

自分が生きていていいと思える世界。

できれば、そんな世界で心地よく働いていきたい。

鈴木さんのように複数社にトライしてみると、より自分の目指す「心地よい環境」が明確になるかもしれない。