目次
- イベント概要・登壇者ご紹介
- ”インターンシップ” ってなに?
- リモート?対面? インターンシップに参加するときはどっちがいいの?
「どうなる?どうする?インターンシップ会議」
2023年6月29日(木)、クラフトインターン代表である宮迫大樹さんが主催するオンラインイベント「どうなる?どうする?インターンシップ会議」が行われました。異なるアプローチで地域の学生やインターンを支援している3名の登壇者がそれぞれの視点から、「これから求められる学生時代の社会経験」について参加者と共に大討論。登壇者同士、登壇者と参加者の垣根を超え議論がなされ、有意義な時間となりました。
登壇者プロフィール
宮迫大樹 (クラフトインターン代表)
略歴
2019年 広島大学総合科学部卒業
2019年〜 株式会社CAMPFIRE 現CSM
2021年〜 静岡移住&シェアハウス経営
2022年〜 クラフトインターン創業
小林祐介
静岡県立大学内の書店運営
静岡市の草薙地域のエリアマネジメント
(コラボレーションスペースTakt運営)
略歴
2017年 静岡県立大学卒業
2017年〜 (株)アルバイトタイムス入社
2021年〜 転職しまちづくりや書店の運営に関わる
谷中駿太(たにた)
1996年生まれ。神奈川県湯河原町出身。
”やりたい”をやってる人が一人でも多い社会の実現を目指し奮闘中!
略歴
2019年~ 富士通株式会社 入社
2021年~ INTERN BASE 設立
2023年~ 株式会社そいや 設立
トークテーマ
対談1:自分に合ったインターンの選び方
対談2:私のキャリアの築き方 →イベント時間上割愛されました。
対談3:フリーディスカッションタイム(質疑応答・飛び込み参加可能)
Session 1:自分に合ったインターンの選び方
企業と学生、両者の考える”インターン”とは?
トークテーマの1つ目として取り上げられたのは「最近のインターンシップのトレンドについて」です。
話を進める前にまず、アルバイトと “インターンシップ” の差、 ”インターンシップ” の種類について気づきがありました。
1dayや2daysの会社説明会や3ヶ月以上の長期のものがある中、どれも ”インターンシップ” と表現されていることが多く見受けられます。
※産学協議会の定義内では4日間以内の活動は「インターンシップとは称さない」という発表があります。
<参考リンク>
https://www.meti.go.jp/press/2022/06/20220613002/20220613002-1.pdf
本イベント内でもそれぞれの視点、これまでの経験から “インターンシップ” の定義について対談が進んでいきました。
宮迫:
インターンシップとアルバイトの境目が見えにくい印象がありますが、どこだと考えますか?
谷中:
杓子定規なことを言うと「どちらもあまり変わらない」という結論を雇用契約などから考えて言う方が多いと思うのですが、大きな違いは【裁量権がどこまであるのか】【仕事に対して作業者なのか、目標達成のためにやり方から考える提案者なのか】ではないかと考えています。
ここで気をつけなければいけないのは「やりがい搾取」だと思います。
学生に「経験のため」などとそそのかし、不当に労働を強いる、いわゆるブラックなインターンには注意が必要です。
宮迫:
中長期インターンシップとやりがい搾取のバランスをとることは大切ですね。
加えてインターンシップという言葉の定義が明確になく、曖昧に使われていると感じるのですが、いかがでしょうか?
小林:
いつの学年から ”インターンシップ” に参加しているのかで、3年次に1dayか長期か、選択するものに変化が見られるのではないか、と思います。
企業側もベンチャーなどは裁量性のあるお仕事を、大企業になっていくと1dayなどの短い期間のものを “インターンシップ” と呼んでいると感じます。
谷中:
企業さんも学生さんも目的によって選択に違いが出ているのではないか。
1dayは就職のためのインターンシップ、その企業のことを知るために参加するもので、長期インターンシップは学生が自分の適正を見極めるための本質的な就業体験ができるものではないでしょうか。
ここで一言✏筆者の気持ち
この話を聞いて私は後悔しないインターンの初め方の一歩として、その時の自分が大学卒業後の生活に向かうためにどんなことができるのか、どのくらいの【情報量】をどれだけ【時間】をかけて【収集、経験したい】のかを考え『自分で選択』して ”インターンシップ” に応募し、参加することがいいのではないかと感じました。
卒業するまでに長期インターンシップに参加する学生の数とは?
イベント中盤では、参加している人を巻き込みながらクイズ形式でインターンシップについて考える時間もありました。
宮迫:
長期のインターンシップに参加している学生さんの割合など、谷中さん知っていることはありますか?
谷中:
あります!
みなさん、長期インターンを経験して卒業する学生は何割いるでしょうか?
INTERN BASEを始める前に全国的に調査を行ったのですが、地域によってかなり差がありました。
・・・
結論は、だいたい10%ほどが経験して卒業していることがわかりました。調査によっては2%、4~5%という結果になることも多いようです。
興味深い点として「興味はあったけど参加しなかった人が 75%」ということもわかりました。
学生さんからしたら就活に向けて何かしたいと言う気持ちはあったが、できなかったということだと思います。これは、長期インターンを知るきっかけや何か後押しすることがあればやりやすい環境になると思うので、「分からない」という不安を解消する必要があるのだと思います。
企業さんには、長期インターン知るきっかけがあれば学生はみんな興味があるということが言えると思います。
では、学生に人気のインターンシップはどんなものだと思いますか?
参加者(学生):
不安を抱える学生からは「自分が見るインターンシップ」が人気だと感じます。オンライン完結型で、学生にとって負担少ないものです。また、ITやコンサルといった業界も人気なのでしょうか。
宮迫:
就活のためのインターンシップとなった時に、短い時間でたくさんの情報を得たいというニーズを感じます。
「タイパ」という言葉が流行りましたが、この価値観は、若い世代に共通して見受けられます。
谷中:
今いただいたように「オンライン」「タイムパフォーマンス」「ビジネス色の強いもの」「キャリアに繋がりそうなもの」は昔から今まで人気だと、インタービューなどを通して感じます。
ひとつ、僕が感じる変化としては「どれだけその活動が社会に貢献できているかを実感できるか」という価値観で、社会性の高いソーシャルビジネスや地域活性系の活動に興味を持つ学生が増えているなと感じます。
小林:
私も多いと感じます。
就活時の軸に「社会貢献」を入れて探して会社説明会で説明を聞いて入社しても、実際に仕事が始まった時に自分が社会貢献をしている感覚を得られずにギャップを感じるという話をよく聞きます。
その企業が社会貢献をどうやったら叶えられるのかということまで学生時代に考えておけるといいのではないかと思います。
自分に合った “インターンシップ” の選び方とは?
「自分のやりたいことって何だろう?」
「自分に合った仕事ってなんだろう?」
これは、誰もが悩むことだと思います。こういった不安の解決策としてまず上がるのが “インターンシップ” ではないでしょうか。しかし、選ぶ基準や行った先の環境への不安などまだまだ色々な不安が出てくるかと思います。ではどうやって “インターンシップ” を選んでいけば良いのでしょうか?
谷中:
インターンも就職先も選び方は一緒だと思っていて、選ぶまでに何かから刺激を得て、選択をし、意思決定をするというプロセスを踏むと思います。
選択するときには誰かから直接話を聞くことや、短期間でもいいのでとりあえずやってみる、そこから自分に合っているのかいないのか、などを考えるという考え方がいいかと思います。
体験と内省することが重要で、まずやってみる事が大切だと感じます。”合っていなかった”という発見も大切です。
小林:
僕も、谷中さんとほぼ同意見です。
今の世の中の傾向として「どうしたらいい選択ができるのか」ということを考えてる人が多いと感じます。
それは、「失敗の数に応じて成功率が上がる」と思うのでとにかくやってみることが大切だと考えています。
「最初のインターンどうしよう、、」と悩んでいる学生がいたらその子の周りの社会人が「とにかくやってみよう!」と背中を押してあげることが大切だと感じます。
また、1社経験した人はその後の行動として2社、3社行っている印象があります。
宮迫:
近年得られる情報の密度や量が増えて、質も上がっているので「行動した後どうなるのか」を考えやすくなっていると感じています。
行動した後の自分はどうなるだろうか、という仮説を10〜20パターンほど考えておいてその中から自分が納得いくものを選ぶ方法もいいのではないかと考えます。
話が想像以上に盛り上がったことで先に対談テーマ3:フリーディスカッションタイムに移行することに….!!
Session 3:フリーディスカッションタイム
ここからは、参加者の皆様からも質問やお題を頂き、ディスカッションタイムです。
Q. 長期インターンに参加する上で対面とリモートの差について
谷中:
インターンに限らずどこの職場環境でも出ている話と感じていて、対面がいいのか、リモートがいいのかという意見は二極化している印象があります。
デジタルネイティブ世代からすると、業務上の問題もなく満員電車などのストレスもなくていいという意見がよく出ていますが、マネジメント側の意見やオンラインになったことによる生産性のサーベイをみていると違う見解がありと感じました。
タスクまで落とし込まれている定量的な仕事の場合はオンラインでも十分可能だと思いますが、反対にクリエイティブな仕事や話し合いを重ねて進めていくような仕事は対面で、非言語の情報を感じながら行う方がいいと感じます。
宮迫:
リモートワークに切り替わったことで得たものと失ったものについてお伝えします。
まずは得たものについては「仕事をできる時間」が増えました。
通勤の体力や切り替えのストレスがなくなったことでたくさんのことにチャレンジできています。
反対に失ったものは「雑談」と「人の仕事を盗むこと」です。
雑談による偶発的な成長や出会いは圧倒的に減ったと感じています。
ここから学びたいことややりたいことが明確な人はリモートでもいいと思いますが、自分の可能性を広げていきたいと考える人は対面のメリットは大きいと思います。
小林:
笑い話が拾えるのは対面ですね。笑
私は、楽しく生きていきたいと考えているので、対面の方が色々な刺激を感じながら働けると思います。誰かと一緒に働いているという感覚や日常的なコミュニケーションが生まれるのは対面ならではだと感じます。
Q. 休学してインターンに行くべきかどうか
小林:
社会人を1年間経験するともう一度学びたいと感じることから、僕は1年間学業以外のことを取り組み続けることに価値を感じます。興味があったら挑戦してみることがいいのではないかと思います。
谷中:
小林さんと同意見です。一旦普段の学生生活以外のことを本気でやってみるという経験は他に変えられないと思います。ただ、その経験が長期インターンだけでいいのか、幅広い経験が必要なのではないかと疑問を感じます。しかし、卒業したら働く選択肢を取る人が多いのでそこから逆算したらインターンシップをしておいた方がいいということのような気がします。
他に変えられない経験という意味で長期インターン、フルコミットでやってみてもいのではないかと感じます。
その他にも企業さんから産学協議会からの発表を受けて ”インターンシップ” として行っていいのか・定義についてなど、たくさんの質問が参加者のみなさまから出てきました。質問に対して一つ一つそれぞれの視点から討論して非常に学びのある時間になっていました。
筆者の気持ち
本イベントから少しでもインターンシップへの糸口を知り、自分の学生生活についてどのように時間を使って未来へ繋げていくのか、自分の人生をどうしていきたいのかという視点を見出していただきたいです。
この記事を読んでくださった人が “学生生活とインターンシップ” について考えるきっかけとなると嬉しく思います。
最後に、ここまで読んでくださりありがとうございます!
長期インターンを初めてやる時は誰もが不安だと思います。経験談インタビュー記事も参考になるかと思いますので、是非読んでみてください♪